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注文住宅の工法は、主に木造、鉄骨造、RC造の3種類。各工法にはどんなメリット、デメリットがあるでしょうか。
木造住宅とは、柱や梁など主要な部材が木材で造られた住宅のこと。日本には古くからある建築様式です。
木材は軽量なため基礎工事が比較的簡便に済み、鉄骨の場合に必須となる防錆などの下処理も不要なことから、コストを抑えることができます。全体が軽量なので地震の影響も受けにくいとされているほか、伝統的な工法ではデザインの自由度が高く、増改築のしやすさも魅力。吸湿性が高いことから、結露も少なめ。
鉄骨に比べると強度や耐久性が劣るほか、台風などの自然災害や火事、シロアリなどの害虫に弱い部分も。木材の品質にばらつき出ることがあるほか、全体の仕上がりも職人の腕に大きく左右される傾向があります。
木造枠組壁(2×4)工法は「ツーバイフォー」と呼ばれる工法で、近年の木造住宅では数多く採り入れられている工法です。在来工法と呼ばれる木造軸組工法が柱と梁といった軸を中心に家造りを行うのに対し、面を構成する壁を重視して家を造ります。つまり、壁によって家の強度を増し、耐震性を高める工法と考えればわかりやすいでしょう。
木造枠組壁(2×4)工法の最大のメリットは建物の強度です。地震などの外力を各面が受け止めて逃がすことで、建物のダメージを大きく低減できます。また、木造枠組壁(2×4)工法は火災にも強いとされている工法です。
木造枠組壁(2×4)工法では面となる壁が重要な支えとなることから、開口部の大きな家を造りにくい点と間取り変更をしにくい点がデメリットとなります。
鉄骨造住宅とは、主要部材に鉄骨を使用している住宅のこと。厚さ6mm未満の鋼材を使った軽量鉄骨造が、戸建て住宅では主流になっています。
工場で製造される鋼材を使うため品質は安定しており、工期が短くなります。また、職人や業者によって仕上がりが違うといったことも少ないでしょう。鋼材の強度の高さから、部屋の空間を広く大きく取れるのも特徴。シロアリなどの害虫被害の心配は少なく、耐久性も高いことから、耐用年数は木造より長いのが一般的です。
木造より材料費がかかることなどから、建築コストは高めに。部材や壁を薄くできる分、断熱性が低くなる傾向もあります。工法によっては間取りの変更は難しく、将来リフォームしたい場合は注意が必要。
RC造住宅では、柱や梁、壁などの主要部材として、鉄筋コンクリートが使われます。
圧縮される力に強いコンクリートと、引っ張られる力に強い鉄筋を組み合わせているため、耐久力が非常に高い工法です。窓を大きく取ったり、室内の空間を大きくしたりでき、デザイン性の高さが魅力。構造的に耐震性能も優れているほか、耐火性や気密性も高くなっています。遮音性能もアップ。
木造などより工期が長く、重い建物を支える基礎工事も必要なことなどから、コストが高くなります。またコンクリートは熱伝導率が良いため、外気の温度変化を受けやすく、断熱対策は不可欠。気密性が高い分、換気や除湿の対策も必要です。
プレハブ工法とは、あらかじめ工場で材料を加工しておき、建築現場で組み立てるだけで家造りができる工法です。工場で製作した部材を現地で組み立てる手法は軽量鉄骨造の家でも行われるため、プレハブ工法と鉄骨造と同じ意味で用いることもあります。しかし、軽量鉄骨以外でも使われているのがプレハブ工法です。
工場で加工するため品質のばらつきを抑えられる点がプレハブ工法の大きなメリットです。また、現場の状況や天候に左右されず製作できるため工期が短く、基本的に予定がずれ込む心配もありません。
工場で製作する部材は規格化されたものが多く、家造りの自由度という点においては制限があります。また、軽量鉄骨のプレハブ工法では木造よりも耐火性の面で劣るとされている点もデメリットです。
ログハウスといえば自然豊かな別荘地に立つ小屋風の家を思い浮かべる人も多いでしょう。法的には丸太組構法と呼ばれる工法です。丸太などの木材を水平に積み上げて建築するため、一般に独特の外観をもちます。
自然の木材によって組みあがっているログハウスには高い調湿効果や断熱効果があります。また、気分的にリラックスできる点もログハウスのメリットです。
風雨による外壁の傷みや雨漏り、壁の沈み、木の変形などは経年によって発生しやすいログハウスの不具合です。メンテナンスしないで放置していると生活に支障をきたす可能性が大きくなる点が最大のデメリットといえます。
ラーメン構造とは家の骨格をなす柱や梁の接合部を剛接合した構造形式のことです。剛接合とは、溶接などの強固な接合方法で構造を一体化させることをいいます。かつては、木造住宅には馴染みのない構造でした。技術の発達により木造住宅でもラーメン構造が採り入れられています。
柱と梁の構造が一体となって家を支えるため、筋違いのような補強材は必要なく、広い間取りの家や大きな開口の家を建築可能です。同様に、リフォームのしやすさもメリットになります。
家を支える役割のほとんどを柱と梁が担うため、それぞれが太く大型化しやすい点がラーメン構造のデメリットです。
授賞 | ウッドワン空間デザイナワード2020ウッドワン賞 |
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審査 員長 |
伊東豊雄氏(建築家) |
施主と施工主がお互い納得できるまで相談・希望のやり取りを繰り返す「原口メソッド」を元に、施主の隠れた希望をも引き出した世界に一つの「完全自由宅」を実現。
授賞 | キッズデザイン賞 |
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審査 員長 |
益田文和氏(インダストリアルデザイナー) |
全国各地で高品質を標準設備とする家を提供する一条工務店。「i-smile」は打ち合わせでタブレットを活用する新たな試みで、そのユーザビリティの高さが評価を得ました。
授賞 | ウッドデザイン賞2020 |
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審査 員長 |
赤池学氏(科学技術ジャーナリスト) |
1棟に使用するすべての木材でトレーサビリティを確保した個人住宅にてウッドワン賞を受賞。木造住宅の新たな可能性を呼び起こし、技術普及に向けて動いています。
※うきは・朝倉エリアを対応範囲に含む施工会社のうち、2020年1月1日~12月31日までにスキル・センスが客観的に評価され、何かしらの賞を受賞した旨が公式サイトに記載されている工務店1社とメーカー2社を選出しています(2021年3月1日調査時点)。
※参照元:ウッドワン空間デザインアワード2020「結果発表&表彰式レポート」https://woodone-contest.com/ceremony.shtml、KIDS DESIGN AWARD「受賞作品検索」http://www.kidsdesignaward.jp/search/detail_200275、ウッドデザイン賞「受賞作品データベース」https://www.wooddesign.jp/db/production/1368/